60年代中期から発生してきた、ボサノバ=新しいボッサはサンバのリズムを倍にしてゆったり聞かせるだけでなく、ジャズの複雑なサウンドとブラジルのリズムの融合として世界中に広まりました。
60年代中盤ということもあり、ビバップ的なサウンドというよりはオルタードやリディアンドミナントのサウンドがアドリブで必須となります。それゆえツーファイブ(四度進行)的なアドリブのアプローチだけでなく、上記スケールがサラサラ弾けることが必須となります。
まず、ボサノバとして必聴のアルバムは、Getz/Gilberto やGetz Au Go Goでしょう。
これらのアルバムには制作の過程でボーカルが代役だった、、など色々な逸話がありますが、すべてが偶然に?調和してできた素晴らしいアルバムです。
https://www.youtube.com/results?search_query=Getz%2FGilberto
ですが、これを聞いても今一つアドリブの参考にはなりにくく、聞いておかなければいけないアルバムではありますがアドリブの情報源としては他にいろいろ音源を探す必要があります。
以下にジャズスタンダードとしての、ボサノバ名曲一覧を載せておきます。
ソロ譜やアドリブ音源などの詳しい情報は各ページをご覧ください。
イパネマの娘 | 言わずと知れた名曲。トニックが出てこない転調があまりにも有名。Lydian 7th祭りで、6つのキーでLydian7thが出てくる。元のキーはFだか転調が多いのと、Lydian7thのスケールで流暢に動けるかがカギ。難易度★★★★★ |
Wave | キーはDで、少し転調する。基本的にはツーファイブ祭りで、普段あまり使わないキーでツーファイブが弾ければそれほど難しくない。ドミナントセブンスが続いて動くところだけうまく処理できるようややアイディアが必要。 難易度★★★ |
Corcovado | キーはCでⅡ7セブンが形を変えて出てくる以外はさして難しいところはない。弾きやすいツーファイブが多い。難易度★★ |
How Insensitive | モーツアルトのプレリュードが元になっているらしい曲。ジャズらしくない、ベースがルート音を弾かずに調性を濁していく進行を解釈できれば音をなぞるだけでもいい感じに聞こえる名曲。 難易度★★ |
Once I Loved | キーがFで弾きやすいツーファイブ祭りな曲。ケニーバロン先生の名演が個人的に大好きなスタンダード。難易度★ |
Triste | 元のキーがBbでコードがやや動き回る曲。曲の出だしのサブドミナントマイナーのスケールが変わるところでリディアンやリディアンドミナントが弾ければ、あとはツーファイブ祭り。難易度★★★ |
One Note Samba | その名の通り一音だけのメロディーの曲。コードは1小節のツーファイブが連続するのでやや忙しいがそれだけの曲。難易度★★★ |
O Garande Amor | キーがCというかAmでシンプルな楽曲。典型的なマイナー曲のアプローチが出来れば
さほど難しいところはない。難易度★★ |
No More Blues | 長い曲。途中でキーが変わり、普段あまりひかないb2b6なども必要で、キーが難しい。また、曲が長いためにソロをうまくまとめるという難しさがある。難易度★★★★ |
Desafinado | ゲッツの演奏で有名な曲。ツーファイブ祭りだが途中でDのキーに行くのがやや難しいか?コード進行はツーファイブで、シンブルにモチーフで追いかけれれば十分いい感じに聞こえる曲。難易度★★★ |
有名なボサノバ的録音
Cannonball's Bossa Novaキャノンボール先生のボサノバ集。どちらかというとジャズ的なアプローチの作品 |
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Double Rainbow ジョーヘンダーソン先生のボサノバ集。95年の録音のため、ジャズ的なアプローチとブラジリアン的なアプローチの2部からなるアルバム。ボサノバトリビュートとしてはかなりの最高傑作として名高い。オーソドックスなアプローチから豪華なミュージシャンによる近代的なアプローチまで楽しめるアルバム。 | |
We Got Requests. オスカーピーターソン先生による64年のアルバムで、イパネマとコルコバードが収録。当時のジャズミュージシャンによるボサノバの解釈が楽しめるアルバム。ややジャズ的ではあるが名演奏として名高い。 |